東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 小西研究室

光と新しいπ電子系分子が

織りなす美しいハーモニー

お知らせ

  • 2023/10/03

    10月1~3日にNanyang工科大とシンガポール国立大で行われたセミナー(Closed)で小西が講演しました。

  • 2023/10/02

    小西謙成君が加わりました。3年次早期卒業予定。なお、PIの小西とは親戚ではありません。

  • 2023/09/25

    3月に石垣島で行われるバイオオプティクス研究会に大勢で参加するため、予算の都合上、今年度は高分子学会討論会等には行きません。悪しからず。

  • 2023/09/14

    阪神タイガースが優勝しました❣

  • 2023/09/05

    2024年度修士課程の入試の合格発表があり、4名の学生さん(他大から2名)の配属が決まりました。

  • 2023/7/24

    凝集誘起発光(AIE)の生命科学への応用に関する国際共同グループの総説“AIE, Life and Health”が、アメリカ化学会のACS NANOに公開されました。オープンアクセスです。小西が、責任著者の1人として参加しています。
    論文リンク ACS Nano

  • 2023/6/28

    2016年に英国王立化学会のJ. Mater. Chem. Cに発表した「ねじれ型電荷移動(TICT)現象を利用した材料開発」に関する論文の引用回数がWeb of Scienceで700回を超えました(Top 1%級の被引用数)
    論文リンク JMC C

  • 2023/6/28

    小西が編集委員(エディター)を務めるワイリー社の
    Aggregate
    の最初のインパクトファクターが18.8と発表されました。

  • 2023/6/1

    D1下村君のフッ素を導入したメソゲンを用いた液晶ポリエステルのユニークな相挙動に関する論文がMacromoleculesにアクセプトされました。オープンアクセスです。
    論文リンク

  • 2023/5/吉日

    生体分子イメージングの新しい蛍光色素群の特許出願を行いました。光機能、安定性、毒性の低さ、合成の簡単など、卓越した性質を示します。現在、学会での発表予定はありません。

  • 2023/5/11

    D1下村君のやわらかな環状構造を用いた赤色発光のAIE色素に関する論文がChem. Eur. J.にアクセプトされ、即日公開されました。オープンアクセスです。
    論文リンク

  • 2021/12/10

    小西が東工大教育賞(最優秀賞)を個人で受賞しました。

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東工大・小西研のホームページへようこそ!

小西研では、光を極め味わいつくします。2006年に縮合系高分子の合成の研究室として発足しました。その後、東工大の伝統である高分子構造物性、PI小西の学生時代の専門である光化学、医学部生理学教室助手時代の経験を土台にして、ユニークな有機π電子系分子や機能性高分子の研究を展開してきました。計算化学(量子化学および情報工学)にも取り組み、天然物を原料とした高分子材料の研究にも参画しています。学生さんの「自由な発想」を重視しますので、研究テーマは日々、異分野へと広がって行きます。

縮合系高分子は、高収率(ほぼ100%)の反応の繰り返しです。高分子合成化学が成熟した現在、有機反応としての面白さは少ないかもしれません。しかし、高分子化により、ユニット単位(低分子)では起こりえないユニークな機能を導き出すことができます。さらに、高分子の視点から有機分子を眺めると思わぬ発見がたくさんあり、それが私たちのグループのユニークな発想の源泉であり強みです。この楽しさは、夜空から新しい星座を発見することに似ています。


研究のキーワード:有機・高分子合成、機能性高分子、縮合系高分子、光化学、環境応答性蛍光色素、バイオイメージング、液晶・液晶高分子、計算化学など。 注:新テーマに関する研究内容は、特許の関係上、HPに記載していません。


ユニフォームは、98年W杯のフランスのものです

現在、PIの小西は、物理、化学、生命の境界領域を開拓するWileyの国際学術誌Aggregate(2023の最初のインパクトファクターは18以上)のエディターやNature Publishing GroupのScientific ReportsのEditorial Board Memberを務めており、海外で国際学会の招待講演を多数行っています。 JACS、Angew. Chem.などのトップジャーナルへの論文掲載、Top 1%被引用論文2報、掲載論文の15%程度がTop 10%被引用論文になるなど、学生さんたちが活発に研究しています。

現在、3名の博士課程の学生を含む13名(他大からの新加入の修士学生4名)です。研究室出身の大学教員を5名輩出しており、みなさん新分野に挑戦して活躍しています。

フランス国立科学研究センター(CNRS)の医薬(Strasbourg)、材料(Nantes)、有機化学(Nice)をはじめ、積極的に国際共同研究を行っており、学生さんの短期留学を推奨しています。博士課程の学生は6か月以上の短期留学を必須としています。過去にはケルン大、サラゴサ大に短期留学した学生さんもいます。

最近、高分子合成と機能性高分子の研究が増加傾向です。高分子液晶やエンジニアリングプラスチックの研究を再開しました。ただし、特許の関係で内容をHPに載せていません。研究内容の紹介も多忙のため遅れています(すいません)

基礎研究と実装を目指した開発が混在していますが、できる限り、学生さんの希望の方向に持っていきます。過去に、実用化・実装された研究がいくつもあります。

最新の研究に興味のある学生さんは、ぜひ見学に来てください。

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2012年頃からは、過去6年の成果をもとに、高分子の合成法の革新ではなく、新しいπ共役系分子や高分子を使って「光を操る、つくる、光を使ってエネルギー物質変換する」という、機能を意識したテーマに取り組んでいます。もはや、高分子と低分子の区別はなくなっています。ただし、研究概要で紹介するように、高分子を研究しているからこそ発見できたπ共役系分子の新現象や機能が多数あり、やはり、高分子は我々のオリジナルなアイディアの源ですから、これからも続けます。

基礎研究は、π共役系分子の励起状態の構造と性質を理解することからはじめ、新しい機能(発光、触媒、反応開発など)の発見を目指しています。励起状態は、短寿命であり、遷移状態はもちろん中間体を捕捉することも難しいため、分子はなかなか真の姿をみせてくれません。登山に例えるならば、1つの山が見えたと思ったら、その先にもっと高い山があったりします。とにかく、未踏の山がたくさんあります。そこに山があるから挑戦するのです。将来的には、欲しい物性を得るためのデザインが簡単にできるようになることを目指していますが、そんな中で予想外の結果(セレンディピティ)にでくわすことも多く、これもまた研究の醍醐味です。

目的研究は、基礎研究で得られた成果を、社会的に重要な課題の解決へと発展させたものです。国内外の研究室とのコラボレーションを重視しています。具体的には、有機EL、高分子光学フィルム、液晶材料、光触媒、バイオイメージング(病気の診断、癌、脂質ラフト、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など)、内視鏡開発、ソフトマターの構造解析、創薬など光を必要とするあらゆる分野に拡がっています。生命科学への応用例が多いのは、PIの小西が、医学部生理学教室の助手を経験していたことの影響です。

私たちは大学の研究らしく、研究者の自由な発想を重視します。これまでに社会を大きく変革する発明をした(企業)研究者と交流する機会がたくさんありました。その中で、イノベーションができる人材とは、真に新しいことに対して情熱的に、そして集中して取り組める人であって、近視眼的なテーマや企業のシステムにどっぷりつかる必要はないということを教えてもらいました。学生時代に、小さくてもいいので成功体験(ブレークスルーした時の感動)を味わったことのある研究者は、どんなテーマ、状況であっても壁を乗り越えるコツを知っているので、強いのです。研究室の学生さんには、発見のときめきを味わってもらいたいと思います。

このような基礎研究重視のアプローチですが、得られた成果を生かそうという気持ち(工学的センス)があると、自然と応用の世界に足を踏み入れることになります。これまでに、国家プロジェクトを含め、環境負荷低減(グリーンサスティナブルケミストリー)、元素戦略(希少元素代替)、および分子イメージングを実現する開発に参画してきました。中には、実用化されたものもあり、現在も、世界を変えるイノベーションを夢見て、挑戦が続いています。

私たちと一緒に、新しい高分子やπ共役系分子を創製し、光の新しい世界を切り拓きませんか?

お問い合わせ

小西研究室
〒152-8552 目黒区大岡山2-12-1-S1-27
南1号館208A号室(小西)、208B号室(学生室)
e-mail: konishi.g.aa[@]m.titech.ac.jp
※カッコを外し、@を半角英数に修正してからご使用下さい。
研究室訪問も受け付けております。メールにてご連絡をお願いいたします。